2014 活動報告書【前半】

Day 1: 8月4日(月)海外ボランティア到着、歓迎会
薪による米炊きでスタートした歓迎会

歓迎会には、ねっこの関係者、地域住民の方々、合わせて18名が参加。歓迎会は、今回のプロジェクト関係者による挨拶終了後、和やかな雰囲気でスタート。ボランティアを中心に薪でお米を炊き、参加者が持ち寄ったおかずで遠方はるばる岩村に来てくれたボランティア2名をもてなしました。

薪で米を炊く

薪で炊くポイントは、湯気が出て来たら弱火にして10分、その後炭を出して10分蒸らすことです。

恵那国際ボランティア歓迎会1

初めてのおにぎり作りにも関わらず、きれいな形ににぎっていました。

国際ボランティア歓迎会風景

歓迎会後のミーティングでは、今後2週間のスケジュール確認と、翌日に控えた学童保育訪問の打ち合わせを中心に行いました。事前にお願いした通り、2人とも自国のゲームを準備してきているようなので、期間中2回予定されている学童保育訪問がどんな形になるか楽しみです。

 
Day 2: 8月5日(火)学童保育訪問、岩村観光
子ども達と「うんとこしょ!どっこいしょ!」

午前中は、岩村小学校で行われている学童保育を訪問。事前にチェコとロシアからボランティアが来ることを知らされていた子ども達は、世界地図を準備し指導員の方と勉強していました。

国際ボランティア学校訪問

まず、海外ボランティア2名による各5分程度の国紹介を行い、その後絵本の読み聞かせのエキスパートでもある遠山先生が「大きなカブ」を朗読。日本語で読んだ後に、ロシア語とチェコ語が続き、繰り返し出てくる「うんとこしょ、どっこいしょ」部分は、子ども達も一緒に声を出して読みました。最初は照れていた子ども達も、絵本の後半部分では、大きな声を張り上げて楽しそうに読んでいました。

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自由時間では、ボランティアが持参したゲームをしたり、ボランティアの得意とすることを一緒に行ったりして大盛りあがりでした。剣玉と駒遊び、チェコの神経衰弱ゲーム、折り紙などを中心に行い、その他、サッカーや鬼ごっこをするグループもありました。

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チェコの神経衰弱ゲーム中。

岩村の魅力を探る

午後は、今回のプロジェクトの目標の一つ「外国人が感じた岩村の魅力と課題」レポートの作成を兼ねた観光に出掛けました。まずは岩村観光の中心地である「歴史重要伝統的建造物群保存地区」を歩き、モンドセレクションを受賞している日本酒を醸造している酒蔵を見学。

国際ボランティア岩村醸造で試飲

平日ということもあり、賑わいはあまり感じられませんでしたが、ボランティアの2人は、岩村が持つ独特の雰囲気を気に入ったようで何枚も写真撮影をしていました。歩き疲れた後は、恵那の名物「五平餅」を初体験。これから何度か岩村の観光地を訪れ、最終的に岩村発展のために的を得たレポート作成ができればと思います。

 
Day 3: 8月6日(水)菜園での作業、恵那市防災研究会による講座
里芋60株の手入れがあっという間

午前中は、ねっこの菜園で里芋の手入れを行いました。具体的には、高さ40cm程度に成長している里芋のまわりに生えている雑草を抜き、その雑草を茎の周りにかけていくといった作業です。

恵那市まちづくり市民協会

ねっこから提供された専用の雑草抜きを使って、約60株植え付けされている里芋の手入れを2時間ほどで終了させました。作業中、恵那市の「まちづくり市民協会」の方の訪問があり、ZuzanaとNataliiaは、恵那でのプロジェクトを選んだ理由や滞在先である岩村や今回のプロジェクトの印象などに関する質問に答えていました。

国際ボランティア菜園作業
淡々と作業をこなすボランティア達。

恵那市の防災体制について知る

午後からは恵那市の防災課と防災研究会による「恵那市の防災体制と東日本大震災におけるボランティアの活動」をテーマとする講義を受けました。この機会は、大学の研究テーマを「東日本大震災におけるNPO団体の活動」にしているZuzanaから希望を受け、恵那市防災課と防災研究会のご好意により実現しました。

恵那市防災研究会地震体験車

まず、地震のない国から来ている2人に疑似体験をしてもらおうと、岐阜県に3台しかない地震体験車に乗り、東日本大震災の地震波を基に作られたプログラムで地震体験。最初は笑っていた2人も、あまりの揺れの大きさに最後はショックを受けたような様子でした。

恵那市防災研究会

その後、防災センター内の災害に対する意識を市民に高めてもらう目的で作られた施設で、液状化現象、災害発生後にすべき行動、防災グッズなどに関して学ぶ機会を得ました。残りの1時間は、「恵那市防災研究会」の会長でもあり、実際に東日本大震災でボランティア活動を行い、防災士として市内でさまざまな講習会を行っている岩井慶次さんから、大震災における活動、学んだ教訓をスライドスライドを使って説明がありました。最後にZuzanaが彼女の研究のために知りたいことを岩井さんに質問し、3時間にもわたる講習が終了しました。

田口先生による三線とウクレレ演奏会

夕飯後は、岩村でマルチに活躍している田口さんが、手作りケーキセットとともに、三線とウクレレの演奏にきてくれました。演奏会の後は、アコースティックギター演奏を趣味とするNataliiaを指導。短期間で三線で「ふるさと」を弾けるまでになりました。先生によって上達スピードがこんなに違うものなんですね!

国際交流

ちなみにNataliiaはロシアで、超絶テクニックの持ち主として知られる「押尾コータロー」を耳コピして練習しているそうです!
田口先生は、プロジェクト後半の染め型紙体験で講座講師として登場します。

 
Day 4: 8月7日(木)学童保育訪問、活け花体験、地域住民との交流
色とりどりの弁当に感動

午前中は、岩村から車で1時間の恵那北小学校、学童保育を訪問。基本的には5日の岩村学童保育訪問と同じパターンで小学生と交流。

国際ボランティア絵本読み聞かせ

今回は弁当の支給があり、昼ご飯を参加小学生と一緒に食べました。色とりどりの弁当に感動した様子の2人でした。

恵那北小学校交流会

子ども達との交流後、日本の棚田100選の一つ「坂折棚田」を見学。これぞ日本、という田園風景に感動した2人は写真を撮りまくっていました。

坂折棚田のビューポイント
棚田が見渡せる展望台にて。5月末には、「田の神様 灯祭り」が開催され、畦に並べたローソクに一面の灯火を点け一年の豊饒をお祈りします。 棚田に浮かび上がる明かりがとっても幻想的です。

活け花の奥深さを体験

その後は、運営者小澤さんの住む里山地域にある「茂立公民館」で活け花体験。慣れないながらも順調に花を活け、1時間程度で完成させました。

国際ボランティアの活け花体験

2人はただ美しくアレンジするだけではなく、一定のルールに基づいて花が活けられていることに感心した様子でした。活け花体験後は、夕食まで地域に住む子どもたちと「缶蹴り」ゲームをして遊びました。2人ともすぐにルールを飲み込んだようで、何度も缶を蹴ったり、鬼役もやったりして楽しみました。

恵那国際交流

夕食会はこの地域に住む4家族とともに、公民館で開催。鶏の唐揚げ、焼きもち、焼きそば、キッシュなどをはじめとする各家庭の味を堪能。その後絵本の読み聞かせも行い、賑やかな国際交流となりました。

 
Day 5: 8月8日(金)オフ
のんびり休暇を過ごす

今日は休暇ですが、特に予定はないとのことで、子ども向けに開催されていた影絵ショーを鑑賞。せっかく街に行くからと「恵那市国際交流協会」の松永事務局長と内木さんに、今回のボランティアの紹介を兼ねて活動報告。「継続的に開催して欲しい」と激励の言葉をいただきました。

影絵鑑賞
昼食は、ラーメンをまだ食べたことがない2人のリクエストで近くの「寿がきや」へ。

恵那の寿がきや
特製ラーメンをペロっと平らげていました。チャーシューとスープが気にいったようです。

飯高観音
最後は、山岡町に位置する飯高観音さんを見学。美しい境内にしばし見入っていたボランティアでした。

 
Day 6: 8月9日(土)翻訳作業
チェコ語とロシア語による観光案内パンフレット

明日恵那付近を通過する台風の影響を懸念し、予定されていたカヤック教室は残念ながら中止。その時間を使って観光局が出している岩村の概要をチェコ語とロシア語に翻訳する作業を2人にお願いする。

国際ボランティアで翻訳

Zuzanaはタブレットで作成。安部公房を研究しているだけあって、単語力は相当あります。

ボランティアが翻訳

午後は、大雨の予報が出ていたため「岩村探求」が難しいと判断しオフとしました。

 
Day 7: 8月10日(日)山岡細寒天工場見学と国際交流
こだわりの細寒天工場を訪問

午前中は、台風の影響で予定されていたウォーキングイベントは中止。昨日に続き翻訳作業をしてもらいました。午後から寒天生産量日本一を誇る山岡町で長年細寒天を製造している「桝五寒天商会」さんで工場見学。この辺りでは唯一委託仕入れはせず、全国を回って自分の目で確かめた良質のテングサを仕入れ、こだわりの細寒天を製造しています。

山岡寒天工場見学1

寒天の歴史や製造方法に関してレクチャーを受けた後、高級細寒天を使った心太(ところてん)やゼリーをいただき、実際に寒天工場で細寒天の突き出し作業を体験させてもらいました。これまで寒天はどれも大差ないと考えていた参加日本人も”良質”の寒天と”普通”の寒天の味の違いにびっくりでした。

山岡寒天工場見学2

天筒で突き出し作業中のZuzana。1枚のよしずに20本突き出すそうです。
工場を経営する佐々木さんご家族のご好意で、体験後に夕食会を開いていただきました。

朴葉寿司作り

佐々木さんは朴葉寿司や細寒天を使ったラーメンでボランティアをもてなし、ボランティアはRizekというチェコ料理とロシア風マッシュポテトを作り楽しい一時を過ごしました。

山岡町で国際交流
寒天に関するレクチャーを聞いていたせいもあり、寒天ラーメンの細寒天は特別美味しかったです。

 

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