活動報告書【後半】
保古の湖でウォータースポーツを満喫
9日にキャンセルになったカヤック教室の方から、せっかく来日しているので、時間があるならカヤックとシャワークライミングをしに来てはどうか、とありがたい連絡をいただきました。
即刻出発の決断をするが、遊ばせてもらうだけでは申し訳ないため、午前中に来るお客さん用のカヤックの運び出しサポートをする。
保古の湖は、恵那インターから約30分、標高900mの恵那山高原国民休養地に位置しています。周囲5kmの湖で、最大水深は15mあります。隣接するキャンプ場では焚火を楽しんだり、森林散策が楽しめます。
シャワークライミングは、保古の湖から流れ出た水が作る渓谷「シオヤシロ渓谷」で初体験。美しい渓谷の間を流れる急流を、ボランティア同士手を取って協力しながら約500メートルを登り切りました。
子どもパワー爆発
デイキャンプには、相変わらずの大雨にも関わらず、子ども25名を含む計46名が参加。午前中に予定していた畑でのアクティビティを室内に変更しお昼までゲーム三昧の時間を過ごしました。
ボランティアは、椅子取りゲームやドロケイ、ハンカチ落としなど、日本の基本ゲームを通して徐々に子ども達と仲良くなり、最後の段ボールを使ったキャタピラーレースは大盛り上がりでした。
お待ちかねの夕食は、3つのグループがそれぞれ、おにぎり、焼きそば、ポテトサラダ作りを担当。ご飯は、キャンプを何度も経験している先輩子どもが薪から炊き上げます。NataliiaとZuzanaが作ったロシアとチェコ風にアレンジされたポテトサラダは、参加者に大好評でした。
Nataliia人生初のすいか割り。子ども達の声援を受け、ターゲットに見事命中!
子ども達が毎年楽しみにしている花火も雨が心配されましたが、無事楽しむことができました。海外ボランティア2人は、自分で火をつけてやる花火は初めての体験で岩村花火と規模は違いますが、大興奮の様子でした。
草刈り後の手作りアイスキャンディー
午前中は、染め型紙の先生であり、6日の夜に三線の演奏をしてくれた田口先生が管理するバラ園の草刈りボランティア。久々の炎天下の中約90分の作業終了後、岩村の手作りアイスキャンディーを田口さんにごちそうになりボランティアは大喜び。
この手作りアイスキャンディーは「元祖 菊牛蒡味噌漬店」でも知られる「水口や 水半名物販売店」で買うことができます。一服後、染め型紙体験へ。
歴史ある染め型紙を体験
岩村の染め型紙は、体験教室の会場である「上町まちなか交流館」の隣で、江戸時代に染物屋を営んでいた吉岡屋で作られたオリジナル型紙です。この型紙ワークショップは、吉岡屋の末裔である田口先生が「岩村の歴史と文化を再発見し、文化遺産として未来へと引き継いで欲しい」との思いで有志と始めたプロジェクトです。
岩村の型紙は、全国的に有名な伊勢型紙とは異なり、京都の型友禅の影響を受けた大変珍しく、美しい模様に仕上げることができる型紙です。参加したボランティアとサポーターは、カッターを上手に使い個性あふれるランチョンマットを作り上げました。
そして、いよいよプロジェクト開始から楽しみにしていた「ザ•縁日」に浴衣を来て参加。
衝撃の岩村音楽花火
この岩村の夏祭りの売りは何といっても地元の人たちによる夜店、ステージで繰り広げられるパフォーマンス、そして音楽花火です。毎年、さまざまな岩村の住民グループの方達が毎年楽しそうにお店をやっています。
いつか海外ボランティア達と出店をやってみたいものです。
音楽花火の前に行われるロック風にアレンジした「マイムマイム」と「よっちょれ」を楽しみ、いよいよ花火がスタートです。ほぼ無風状態であったため、途中見にくい場面もありましたが目の前で打ち上げられる美しい花火に大満足の2人でした。
日本三大山城でハイに
午前中はオフにし、午後からなかなか行けなかった「岩村城址」を見学。別名「霧ヶ城」とも呼ばれていたほど、霧が出やすい気象環境によって、要害堅固な山城であったことが知られています。
小雨が降る中、リーダー伊藤君が作成を予定しているビデオの撮影を城址で決行。最初はぎこちなかった動きがだんだんとエスカレートし、なかなかいい動きを撮影できたのではないかと思います。ビデオは、後日公開できる予定ですのでお楽しみに。
ビニールハウスの撤去作業
午前中は、今年の大雪で潰れかけていたビニールハウスの撤去作業を行いました。
大雪後、なかなか作業が進まなかったのですが、若い力のおかげであっという間に、三分の一程度のパイプを片付けることができました。
外国人観光客数アップへの課題
午後一番で、岩村町のまちづくり実行部隊「ホットいわむら」の会長を務める瀬戸さんに「外国人の視点による岩村の魅力と課題」をまとめたレポートを渡しにいきました。
Wi-Fiスポットの欠如や英語による案内版が少ないことなど、外国人によりフレンドリーな岩村になるための提案を受け、是非町づくりの参考にするとの言葉をいただきました。
その後は、台風によりキャンセルされたウォーキングイベントの運営団体「長島町まちづくり委員会」を訪問し、今回のボランティア活動に関して報告しました。
ここでも伊藤君のビデオ撮影が行われ、担当職員の方達がなかなかいい動きを見せてくれました!
立つ鳥跡を濁さず
明日の最終日を前に午前中は宿泊施設を清掃。昼食を兼ねた感謝状贈呈式も行われ、2週間におよぶボランティア活動を振り返りました。
全てのイベントは彼女達にとって新鮮な体験でどれも楽しめたようですが、元気な子ども達、地域住民の温かいもてなしに、特に感動したとのことでした。
感謝状は「ねっこ」の主宰者である遠山先生から渡していただきました。
欲しくてもなかなか手に入らない「あんじゃない(だいじょうぶ)」タオルをプレゼントされ、おおはしゃぎの2人。
夕方から地元のお祭り「電車道まつり」を訪問。大道芸人、和太鼓、屋台など盛りだくさんの祭りを楽しんできました。この祭りにもあの田口先生が関わっています!
ボランティアと涙の別れ
岩村での国際ボランティア、ついに最終日を迎えました。賑やかだった「ふきのとう(宿泊施設)」が急に寂しくなります。
本プロジェクトの目的は、国際交流を通して「自分の思考の枠(パラダイム)と向き合う機会」をもたらすことです。人は自分とは異なった価値観や生活習慣を持つ人と接するとき、自分が生まれてから知らず知らずのうちに作り上げてきた「こうあるべきだ」という思考の枠組みを見直す機会を得ます。
今回、活動に携わった方達から「言葉があまり通じなくても、気持ちで会話ができるんだという事に 気づきました」「テレビを見ているだけでは得られない、日本とは違った世界があるという体験を子どもに与えることができた」というコメントをいただき、このプロジェクトによって思考の枠を建設的に変化させる機会を少しでも提供できたと感じました。
たくさんの想い出を残してくれたZuzanaとNataliia、プロジェクト開催に協力してくれた多くの皆様、本当にありがとうございました。