恵那の見所:武並神社本殿

ena_volunteer_takanami国の重要文化財にも指定されている武並神社本殿は、1220年に建築された美しい建築スタイルで知られる建物です。

桧皮葺(ひわだぶき)、入母屋造(いりもやづくり)の本殿は、バランスのとれた室町時代の建築美を特徴としています。また、装飾に使われている蟇股(かえるまた)の古美術的な価値は高く評価されています。

2007年に始まった446年ぶりの修理•復元工事は、およそ3年に渡って行われ、その際見つかった戦国時代の大工が残した墨書から、この本殿の建築は愛知県の熱田出身の大工が担当したことが判明しました。その他、戦国時代に再建された本殿の彫刻やデザインなどを記した資料等も発見されています。

この大修復作業において、屋根には金箔を張った鬼瓦が施され、武並神社本殿は永禄時代の姿に復元され、その魅力あるスタイルで訪れる人を魅了しています。因みに修復にかかった費用は、1億8,900万円でした。

檜皮葺(ひわだぶき)
ヒノキの樹皮を利用して行う屋根葺手法の一つ。日本古来から伝わる伝統的手法で、世界に類を見ない日本独自の屋根工法です。日本の多くの文化財に檜皮葺を見ることができます。出雲大社本殿、富士山本宮浅間大社本殿、厳島神社諸殿などが美しい檜皮葺で知られています。

入母屋造(いりもやづくり)
東アジアの伝統的屋根形式のひとつ。広義には当該形式の屋根をもつ建築物のことを指します、また単に入母屋ということもあります。

入母屋造の屋根は、上部においては切妻造(長辺側から見て前後2方向に勾配をもつ)、下部においては寄棟造(前後左右四方向へ勾配をもつ)となる構造を特徴としています。日本においては古来より切妻屋根は寄棟屋根より尊ばれ、その組み合わせである入母屋造はもっとも格式が高い形式として重んじらました。瓦葺きの入母屋は、法隆寺の金堂や平安神宮大極殿のほか、各地の城郭建築でも見ることができます。

蟇股(かえるまた)
二つの横材の間におく束(つか)の一種で,上方の荷重をささえるとともに装飾にもなっています。カエルが脚を広げた姿に似ていることが名前の由来になっています。厚板の左右に曲線の繰形を施した板蟇股は奈良時代に始まり,内部をくりぬいた形の本蟇股は平安末期,のち彫刻装飾が加わるようになり,桃山時代以降その装飾性はますます重視されるようになりました。

場所:財恵那駅から徒歩20分、国道19号沿いに位置する

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